【誰でもわかる】36協定の書き方【社労士が図解で解説】

 

36協定の書き方がわかりません。
教えてほしいです。

そんな悩みにお答えします。

労サポくん

この記事を書く私は労務の専門家である社会保険労務士です。

この記事でわかること
  • そもそもの36協定の書き方
  • 具体的になにを書くのか
  • 専門用語を除いた解説
36協定は1人でも時間外労働や休日出勤をさせる場合は届出が必要だよ

36協定をいざ書こうと思っても専門用語ばかりでわかりづらいですよね。

記入例を見たり、いろいろ調べてみるけど「結局なにを書けばいいの?」となっていませんか?

この記事ではできるだけ専門用語を使わずにわかりやすく36協定の書き方を解説します。

36協定の書き方に悩んでる方はぜひご覧ください。

目次

36協定の書き方

解説する前にまず知っておいていただきたいのは下記の2点。

  1. 2021年4月から新しくなる
  2. 特別条項を適用する場合は2枚必要

①実は2021年4月から36協定はちょっとだけ変更があります。

それは「条件付きで署名・押印の省略ができる」、「チェックボックスが増える」です。後ほど解説します。

②2019年改正で特別条項を適用する場は「一般の36協定」と「特別条項」の2枚の作成が必要となりました。

特別条項付き36協定の作成については下記の記事をご覧ください。

この記事では「一般の36協定」について解説します。

では厚生労働省が公表しているの記入例を見て行きましょう。

はい、見た瞬間イヤになりますよね。

まだ始まったばかりですよ。一呼吸おいて、じっくり見て行きましょう。

①「労働保険番号」②「法人番号」

最初に36協定の中身とは関係ないですが労働保険番号・法人番号から解説しておきます。

『労働保険番号』
毎年7月10日までに提出している「労働保険の概算保険料・確定保険料申告書」を見て確認しましょう。

『法人番号』
国税庁の法人番号公式サイトで検索できます。

①「事業の種類」
②「事業の名称」

『事業の種類』
事業所業態分類を参考に今やっている事業にもっとも近い事業を書いてください。
例)「旅行代理店業」「情報通信業」「機器器具製造業」など

『事業の名称』
36協定は支店や営業所、工場など事業所ごとに結ばないといけないため、事業の名称欄が設けられています。
事業所の数だけ36協定を提出することになります。
例)「〇〇(株)札幌支店」「〇〇(株)福岡営業所」など

①「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」
②「業務の種類」
③「労働者数」

『時間外労働をさせる必要のある具体的事由』
業務別に具体的な残業理由を記入してください。
例)「臨時の受注、納期変更」「月末の決算事務」「顧客からの緊急の要請」「受注・請求・集金・営業等の繁忙」など

『業務の種類』
時間外労働させる業務を具体的に記入してください。
例)「事務」「経理」「営業」「機会組立」「製品管理」「外勤販売」など

また、健康上特に有害な業務については、その業務を他の業務と区別して記入しましょう。

『労働者数』
残業をする可能性がある従業員数を書きます。
「全く残業をする予定がない人」「労働時間の管理が必要ない役員・管理職」は人数にカウントしません。
アルバイトやパートも残業する場合は人数に入れましょう。

下記②に該当しない労働者」とは

下記②に該当しない労働者とは、1年単位の変形労働時間制以外で働く人の残業時間と残業理由を書く欄です。
つまり「普通の働き方」をしている場合は上の段に記入します。

「1年単位の変形労働時間制」を適用している場合は下の段に記入します。

労サポくん

行数が足りない場合は、もう一枚別紙で用意しましょう。
別紙は全部書くのではなく、行が足りなかったところだけ書いたもので大丈夫です。

「1年単位の変形労働時間制により労働する労働者」

1年単位の変形労働時間制(3ヵ月~1年の変形労働)を適用している労働者は②の段に記入します。

「自分の会社が変形労働なのかわからない」という方は一度就業規則を見てみましょう。

1年単位の変形労働時間制と書かれていれば②に、それ以外は①に書きます。

具体的事由と種類は①と同じです。

『時間外労働をさせる必要のある具体的事由』
業務別に具体的な残業理由を記入してください。
例)「臨時の受注、納期変更」「月末の決算事務」「顧客からの緊急の要請」「受注・請求・集金・営業等の繁忙」など

『業務の種類』
時間外労働または休日労働させる業務を具体的に記入してください。
例)「事務」「経理」「営業」「機会組立」「製品管理」「外勤販売」など

①「1日の法定労働時間を超える時間数」
②「1日の所定労働時間を超える時間数」

『1日の法定労働時間を超える時間数』
「8時間を超える時間数を書いてください」という意味です。(法定休日出勤の時間は含みません)
1日の時間に法的な上限はありません。

ただし、1日は24時間なので最高で「15時間」が限度です。(16時間と書いてしまうと合計で24時間になり、仕事が終わらないことになるため)

『1日の所定労働時間を超える時間数』
所定労働時間とは、「会社が決めている労働時間」です。
もし、会社の1日の労働時間が8時間未満の場合は記入する必要があります。

例)所定労働時間「7時間」の場合、所定労働時間を超える時間数「16時間」など

①「1ヵ月の法定労働時間を超える時間数」
②「1ヵ月の所定労働時間を超える時間数」

『1ヵ月の法定労働時間を超える時間数』

法律では、1ヵ月の残業時間は「45時間」が限度と決まっています。
(45時間を超える場合は特別条項が必要)

今解説しているのは「一般の36協定」なので、45時間超の時間を書くことはできません。
(法定休日出勤の時間は含みません)

また、下の段の「②1年単位の変形労働時間制」を適用している場合は「42時間」が限度時間になります。
(法律で1年単位の変形労働時間制は42時間と決まっているから)

『1ヵ月の所定労働時間を超える時間数』

所定労働時間とは、「会社が決めている労働時間」です。

もし会社の1日の所定労働時間が8時間未満の場合は、月の所定労働時間が法定より少なくなるので、その分「残業時間としての時間」が多くなります。(所定労働時間が8時間の会社は空欄でOK)

例)
・1日の所定労働時間「7時間30分」
・1月の所定労働日数20日の場合

1日30分が法定外の残業時間になるので、「30分×20日=10時間」となり、55時間(45時間+10時間)が「1ヵ月の所定労働時間」を超える時間数の限度時間となります。

①「有効期間」
②「起算日」
③「1年の法定労働時間を超える時間数」
④「1年の所定労働時間を超える時間数」

『有効期間』
この36協定が有効となる期間を書きます。
期間の上限はありませんが、起算日と合わせておきたいので「1年」で書いておいた方がいいでしょう。(1年未満の有効期間は認められません)

『起算日』
「1年の法定労働時間を超える時間数」を計算する基準となる日を書きます。
何もなければ「有効期間と同じ日」を書きましょう。

『1年の法定労働時間を超える時間数』
法律では、1年の残業時間は「360時間」が限度となっています。(360時間を超える場合は特別条項が必要)
今解説しているのは「一般の36協定」なので、360時間超の時間を書くことはできません。(法定休日出勤の時間は含みません)

また、下の段の「②1年単位の変形労働時間制」を適用している場合は「320時間」が限度時間になります。(法律で1年単位の変形労働時間制は320時間と決まっているから)

『1年の所定労働時間を超える時間数』

所定労働時間とは、「会社が決めている労働時間」です。

もし会社の1日の所定労働時間が8時間未満の場合は、年の所定労働時間が法定より少なくなるので、その分「残業時間としての時間」が多くなります。(所定労働時間が8時間の会社は空欄でOK)

例)
・1日の所定労働時間「7時間30分」
・1年の所定労働日数240日の場合

1日30分が法定外の残業時間になるので、「30分×240日=120時間」となり、480時間(360時間+120時間)が「1年の所定労働時間」を超える時間数の限度時間となります。

①「休日労働させる必要がある具体的事由」
②「業務の種類」
③「労働者数」

『休日労働させる必要がある具体的事由』
時間外と同様に、業務別に具体的な休日労働の理由を記入してください。
例)「臨時の受注、納期変更」「月末の決算事務」「顧客からの緊急の要請」「受注・請求・集金・営業等の繁忙」など

『業務の種類』
休日労働させる業務を具体的に記入してください。
例)「事務」「経理」「営業」「機会組立」「製品管理」「外勤販売」など

また、健康上特に有害な業務については、その業務を他の業務と区別して記入しましょう。

『労働者数』
休日労働をする可能性がある従業員数を書きます。
「全く休日労働をする予定がない人」「役員」「管理職」は人数にカウントしません。
アルバイトやパートも休日労働する場合は人数に入れましょう。

労サポくん

36協定を届出していない場合は、従業員を休日出勤させてはいけません。

①「所定休日」
②「労働させることができる法定休日数」
③「労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻」

『所定休日』
会社が指定している休みです。就業規則を見て記入しましょう。週休2日の場合は土日祝が多いと思います。

『労働させることができる法定休日数』
労働基準法では「週1回あるいは1ヵ月で4日休んでください」と決められています。つまり週休2日の場合、1日は法律で決まっていない休みなんですね。
ここでいう法定休日数とは「週1回あるいは1ヵ月で4日」の休みのことを言っているので、最高でも「1ヵ月に4日となります。

『労働させることができる法定休日における始業及び終業の時刻』
記入例は定時時間を書いてますが、ここは休日出勤した時の最大想定時間を書いておきましょう。
緊急対応に備えて「8:30~24:00」でも大丈夫です。

時間外チェックボックス

このチェックボックスはとても重要です。チェックをつけないと届出が成立しません。

なぜならチェックボックスは、法定限度時間である月100時間、2~6ヵ月平均80時間を超えないことを労使で合意したことを確認するためのものになるからです。

ここのチェックは必ずつけるようにしましょう。

①「労働者代表の署名・押印」
②「選出方法」

『労働者代表の署名・押印』
管理職以外の一般職員に署名・押印してもらいます。

ただし、2021年4月改正で36協定とは別に時間外労働・休日労働について協定書を作成している場合は、押印の必要はありません。名前の明記だけで大丈夫です。
しかし現状は、別途協定書を作成している会社は少ないと思いますので、実務上は署名押印が必要になると思います。

『選出方法』
代表者をどうやって選出したかを記入します。
「管理職からの指名」や「会社の意向に基づいての選出」などは認められません。

記入例と同じ「投票による選挙」など一般職の労働者で公平に決めた理由でなければいけません。

選出方法のチェックボックス

2021年4月からの新しく記述されました。

要は「ちゃんと話し合ってきめましたよね?」「労働者同士で正当に代表者を選びましたよね?」ということです。
そして必ずチェックを入れてください。チェックを入れないと作成した36協定は認められません。

お疲れ様でした。以上が一般の36協定の書き方です。

特別条項付き36協定

時間外労働が月45時間、年360時間を超える場合は特別条項付き36協定を届け出なければなりません。

特別条項付き36協定については下記の記事をご覧ください。

参考資料

最後に36協定を作成する上で参考になる資料をご紹介します。

参考資料

以上、36協定の書き方でした。参考になれば幸いです。

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管理人:キタ コウタロウ
社会保険労務士・Webライター
きた社労士事務所代表
給与計算や社会保険業務など労務業務を約10年、人事労務部門のマネージャーを約2年経験。現在は社労士・Webライターとして独立。
人事系メディアを中心に執筆・監修を行っています。
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