今年も労働保険料の更新時期がやってきました。
労働保険料の申告書って複雑だし、1年に1回で作成の仕方も忘れてしまいますよね。
そこで今回は、労働保険料申告書を作成した時に担当者が疑問に思う細かいことをQ&A方式でお答えします。
労働保険料申告書の作成でお悩みの方はぜひご覧ください。
労働保険料年度更新申告書とは
労働保険料年度更新申告書とは雇用保険料・労災保険料を納めるための申告書です。
労働保険料は年に一回、4月~翌年3月分までの概算保険料と前年度の概算と確定保険料の差額を7月10日までに納めます。
仮に2020年から労働保険料を納め始めた場合は下記の通りです。
- 2020年に「概算で2020年度の労働保険料」を払う
- 2021年に「2020年度の概算保険料と2020年度の確定保険料の差額」と「2021年度の概算保険料」を払う
- 2022年に「2021年度の概算保険料と2021年度の確定保険料の差額」と「2022年度の概算保険料」を払う
たとえば、先に100万円の保険料を払っておき、正確な保険料を計算すると101万円だった場合、7月10日までに差額の1万円と次の概算として101万円を払うイメージです。
労働保険料詳しい概要については、厚生労働省のホームページでご確認ください。
労働保険料年度更新申告書の記入例
記入例は厚生労働省が公表している「申告書の書き方」が一番わかりやすいです。抜粋してご紹介します。
また、労働保険年度更新申告書の作成する際は、厚生労働省で公表しているエクセルを使用すると効率よく申告書を作成できます。
年度更新申告書計算支援ツール(継続事業用)
月ごとに支給額を集計する表です。
給与計算ソフトなどで労働保険の支給対象の給与データを抽出すれば、早く作成することができます。
確定保険料と概算保険料を算出する表です。
上が確定保険料、下が概算保険料となっています。
去年と今年で料率が違う場合は、かける料率が異なりますので注意してください。
概算保険料を3分割する場合は、第1期に確定と概算の差額と一般拠出金も合わせて納付します。
2021年から高年齢労働者の免除がなくなりました。
年齢に関係なく労働保険料の対象となります。
労働保険料年度更新申告書Q&A
ここからは、厚生労働省のホームページでは検索しづらい労働保険料の実務的な内容をQ&A形式でお答えします。
- 労働保険料を7月10日までに納めなかった場合どうなりますか?
-
追徴金が課せられます。(納付すべき保険料・拠出金の10%)
参考:厚生労働省「労働保険の年度更新とは」
- 労働保険の年度更新で申告書と領収済通知書のミシン目が半分くらい切れてしまいました。
大丈夫でしょうか? -
そのまま提出しても問題ありません。
ただ、完全に切り離してしまった場合は、申告書のみを管轄の労働基準監督署または労働局に提出し、領収済通知書(納付書)は、お近くの金融機関で納付してください。
参考:厚生労働省「年度更新よくある質問」
- 分割できる条件はありますか?
-
概算保険料が40万円以上なければ3分割できません。ただし、労働保険事務組合に事務を委託する場合は、保険料に関係なく分割することができます。
参考:厚生労働省「労働保険料の延納(分割納付)」
- そもそもどうやって納付するんですか?
-
領収済通知書(納付書)を申告書から切り離さずに、金融機関で保険料を納付してください。
労働局や労働基準監督署へ申告書のみを提出した場合は、領収済通知書(納付書)を金融機関に提出し、納付します。口座振替による納付をした場合は、自動的に引き落とされます。
参考:厚生労働省「申告書の提出、保険料の納付の方法」
- 確定保険料を間違えて納付しました。
どうすればよろしいですか? -
訂正申告をしましょう。
労働局から訂正申告書を添えて訂正申告をします。詳細は労働局に問い合わせてください。
参考:愛知労働局「労働保険料等の申告内容について訂正が必要なとき」
- 領収済通知書の納付額を間違えて記入してしまいました。
どうしたらいいですか? -
納付額の訂正はできませんので、新しい領収済通知書を使用してください。
領収済通知書は最寄りの労働基準監督署か、労働局に用意してあります。
参考:厚生労働省「年度更新よくある質問」
- 作成に便利なツールはありますか?
-
厚生労働省が提供しているエクセルが主要様式ダウンロードコーナー (労働保険適用・徴収関係主要様式)からダウンロードできます。
- 労働保険料を還付してほしいのですが、どうすればいいですか?
-
労働保険料還付請求書を作成のうえ、労働局に提出をしてください。
労働保険料還付請求書は主要様式ダウンロードコーナー (労働保険適用・徴収関係主要様式)からダウンロードできます。
参考:厚生労働省「年度更新よくある質問」
- 電子申請はどうやってやるんですか?
-
e-Govから行います。GビズIDの場合はe-Govを経由して行うことができます。
e-Govの申請についてはこちらをご覧ください。
GビズIDの申請についてはこちらをご覧ください。
- 労働保険料の電子納付はどうやってやるんですか?
-
- インターネットバンキングから納付する方法
- Pay-easy(ペイジー)を使って納付する方法
- ATMを使って納付する方法があります
があります。
詳しい手続きは管轄の労働局に問い合わせてください。
まとめ
労働保険料年度更新申告書の作成は初心者には難解なものです。
厚生労働省が提供しているエクセルや、給与システムを有効に使いましょう。
以上、参考になれば幸いです。
社会保険や給与計算をミスした時にどう対処していいのかが事細かに書かれています。
実務経験豊富な著者の実体験をもとに書かれているので、参考になります。
こちらも宮武さんの著書です。社会保険の初心者向けに優しく解説されており、やるべき手続きが網羅されています。
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※様式は最新のものでない場合があります。
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