【欠勤がある離職票の書き方】基礎日数計算・翌月欠勤控除・長期欠勤・備考欄など【社労士が解説】

 

欠勤がある従業員の離職票の書き方がわかりません

そんな悩みにお答えします。

この記事で分かること
  • 欠勤月の基礎日数の計算方法
  • 翌月欠勤控除しているとき
  • 長期欠勤の書き方
  • 備考欄の書き方
欠勤があったときの対応を知っておこう

欠勤がある従業員の離職票を作成しようと思ったら、どうしていいかわからない。

この記事をご覧になったあなたはそう思って見ていただいたと思います。

ご安心ください。わかりやすく解説します。

「欠勤月の基礎日数」「翌月欠勤控除」「長期欠勤」「備考欄」の書き方を解説しますので、今お悩みの事例をご覧になってくださいね。

目次

欠勤がある離職票の基礎日数

欠勤がある離職票の基礎日数は雇用形態によって暦日から引くか、所定労働日数から引くか異なります。

ただ、完全月給制の場合は欠勤があっても基礎日数から欠勤分を引かないので注意が必要です。

では、例を見ていきましょう。

欠勤しても給与は変わらない場合(完全月給制
欠勤があっても基礎日数は引きません。
例えば、6日欠勤があっても暦日(30日など)で記入します。

出典:大阪労働局

月給だが欠勤すると給与を減額する場合(月給)
歴日数から欠勤日数を引きます。
例えば、7月に欠勤が6日ある場合「暦日-欠勤日数(例31日-6日=25日)」で計算。

月給_記入例
出典:大阪労働局

土日祝など勤務しない日は給与を支給しない場合(日給月給)
出勤予定の日数から欠勤分を引きます。
例えば、7月に7月に欠勤が6日ある場合「出勤予定(25日)-6日=19日」で計算。

日給月給_記入例
出典:大阪労働局

日給・時給
欠勤日はカウントしません。
労働日数と有休の日数を記入します。
例えば、7月に3日欠勤した場合は出勤した日だけカウントします。

日給時給_記入例
出典:大阪労働局

基礎日数については以上です。

なお、半日欠勤した場合はその日は「1日」として、基礎日数に含めます。

労サポくん

半日でも出勤したのだから出勤した日となるんですね

翌月に欠勤控除している場合

会社によっては勤怠が確定してから翌月に欠勤分を控除している場合があると思います。

その場合は、欠勤した月に戻して計算します。

例えば、6月に3日欠勤して7月給与で3日分の欠勤控除をしている場合は、離職票では6月に3日分の基礎日数と賃金を引きます。

・月給
・6月に3日欠勤、給与300,000円(欠勤控除なし)
・7月欠勤なし、給与270,000円(欠勤分30,000円を控除)

離職票
6月:基礎日数「27日(30日-3日)」・賃金:270,000円
7月:基礎日数「31日」・賃金:300,000円

このように、離職票は実際に欠勤した月に合わせるということです。

長期欠勤している場合の離職票の書き方

続いて、ひと月まるまる欠勤している従業員の離職票の書き方を解説します。

結論を先に言うと、ひと月全欠勤している月は省略して構いません。

2つ記入例を用意しました。
まずは、長期欠勤していて復職しないまま退職した場合の記入例です。

出典:大阪労働局

4月3日から11月10日まで長期欠勤して退職した例。

ポイントは下記の通り。

  • 4月1日、4月2日は賃金が発生しているため、賃金支払対象期間は4月まで書き、5月以降は賃金の発生がないため一行でまとめて書く
  • 賃金が発生していない期間には、備考に期間と理由を書く
  • 4月以前は賃金の発生があるので通常通り書いていき、基礎日数が11日以上ある月が12ヵ月書けるまでさかのぼる

このように、傷病などにより長期欠勤しいて給与の支払いがない期間は一行にまとめて備考を書くことで省くことができます。

続いて、途中で長期欠勤をして復職してから退職した場合の記入例です。

出典:大阪労働局

令和1年12月3日から令和2年8月15日まで長期欠勤していた例。

ポイントは下記の通り。

  • 令和1年12月1日、12月2日は賃金が発生しているため、賃金支払対象期間は12月まで書く
  • 令和2年1月から7月は給与の支払いがなかったため書かない
  • 令和2年8月16日から復帰したため、8月から書き始める

このように、欠勤した期間を省略して復帰した期間からまた書き始めます。

備考には欠勤した期間と理由を書くようにしましょう。

労サポくん

ちなみに算定対象期間(一番左の期間)は4年さかのぼることができますよ。
退職日からさかのぼって4年のうち、基礎日数が11日以上ある月が12ヵ月あれば失業保険の受給ができるんです。

離職票が1枚でたりないときの対処法

長期欠勤がたびたび発生している人の離職票を作成していると、算定対象期間が11日以上ある月が少なく、離職票が1枚では足りなくなる場合がありますよね。

その場合は、2枚目を作成します。
これを「続紙」といいます。

「続紙」は算定対象期間が12ヵ月分になるまでさかのぼって書くためのものです。

記入例は下記の通りです。

続紙_記入例
出典:北海道ハローワーク

「続紙の離職票」は算定対象期間だけ書く離職票です。

記入例の通り、賃金支払対象期間や賃金額は書きません。

算定対象期間が12ヵ月分になるまで書いたら続紙の完成です。

労サポくん

紙の離職票で続紙がある場合は、1枚目の左上に「続紙あり」2枚目の左上に「続紙」と書いてあげると親切です。

欠勤した場合の備考欄

欠勤があるときに備考が必要なのは、ひと月まるまる欠勤して賃金の支払いがない場合です。

数日欠勤して賃金の支払いがある場合は、備考欄には何も書く必要はありません。
とはいえ、「〇〇日欠勤」と書いた方が親切ですよ。

それを踏まえて、備考の記入例をご覧ください。

備考の記入例①

令和2年12月15日~令和3年2月20日まで欠勤していた場合

『R2.12.15~R3.2.20傷病のため賃金の支払いなし』

備考の記入例②

令和1年3月10日~令和2年10月3日まで育児休業をしていた場合

『R1.3.10~R2.10.3育児休業のため賃金の支払いなし』

と、なります。

要は賃金の支払いがなかった「期間」と「理由」を書けばOKです。

まとめ

今回は、欠勤がある離職票の書き方を解説しました。

いろいろなパターンがあるので、欠勤がある離職票を作成する都度参考にしていただければと思います。

その他の離職票の「通勤交通費について」「賃金に含むもの・含まないもの」「基礎日数について」なども他の記事で解説しています。

よろしければ合わせてご覧ください。

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管理人:キタ コウタロウ
社会保険労務士・Webライター
きた社労士事務所代表
給与計算や社会保険業務などの労務業務を10年経験。その後、社労士として独立。人事労務コンサルのほか、Webメディアの執筆・監修に力を入れている労務の専門家。
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