【離職票】離職理由の判断・書き方【添付書類も解説】

 

離職票を作成しているのですが、離職理由の判断に迷っています。

労サポくん

そんな疑問にお答えします。

こんにちは、社労士のキタです。

離職票を作成するときに下記のような悩みはありませんか?

  • 離職理由の判断に迷っている
  • 必要な添付書類がわからない
  • 離職区分の意味がわからない

上記に当てはまった方はこの記事をご覧ください。離職票の離職理由についてわかりやすく解説します。

なお法改正により、離職理由、添付書類などが変更される場合があります。あくまで更新時点の内容ですのでご了承ください。

この記事でわかること
  • 離職理由の判断
  • 必要な添付書類
  • 離職区分の意味
離職理由によって失業保険の受給期間が変わるよ
目次

離職理由(⑦欄)の内容

離職理由

離職理由の決定は、事業主と従業員の双方の合意があって決定されるのが前提です。事業主が一方的に決めれるわけではありません。

とはいえ、先に事業主側で判断が必要です。事業主側が慎重に判断したうえで決定してください。

判断を誤ると従業員からクレームがくることもあります。また、誤ったことで従業員が退職したあとの失業保険の受給期間に影響がでる可能性も。

最終的に離職理由の判断に迷った時は管轄のハローワークにお問い合わせください。

では、離職票の離職理由⑦に沿って、内容と添付書類を解説していきます。

倒産手続き開始、手形取引停止による離職

「倒産手続き開始、手形取引停止による離職」は会社が破産手続きなどを開始ししたために離職した場合に該当します。

具体的な理由としては

  • 会社が裁判所に破産手続開始の申し立てをした
  • 会社が再生手続開始の申立てをした
  • 事業所の手形取引の停止等により事業所が倒産状態にある

などです。

簡単にいうと「会社が破産しそうだから辞めてもらえませんか?」と言われて退職する場合です。

ただし倒産になって解雇された場合は、後ほど解説する「4-1解雇(重責解雇を除く)」になります。

添付書類
  • 裁判所が発行する倒産手続きの申立てを受理した受理表
  • 債権者への案内など

事業所の廃止、事業再開の見込みがない場合

「事業所の廃止、事業再開の見込みがない場合」は事業所が廃止状態になって離職した場合に該当します。

具体的な理由としては

  • 事業所が廃止された場合
  • 事業活動が事実上停止し、再開の見込みがない場合
  • 株主総会等において解散の議決がなされた場合

などです。

添付書類
  • 雇用保険適用事業所廃止届
  • 商法等の商事関係法令に基づく解散の議決が行われた場合には、その議事録の写し

など

定年による離職

就業規則により定められている定年により離職した方がこれに該当します。

定年による離職は項目が細かく分かれており、どのパターンに該当するかを判断して選択しなければいけません。

項目ごとに詳しく解説します。

・定年後の継続雇用を希望していた(以下のaからcまでのいずれかを1つ選択してください)
・定年後の継続雇用を希望していなかった

定年後の措置として継続雇用制度を導入している事業主は、定年を迎える人に「定年後継続して働くか、働かないか」の希望を取らなければなりません。(高年齢者雇用安定法第9条)

退職者が引き続き働くことを希望しないで定年退職する場合は「定年後の継続雇用を希望していなかった」にマルをつけます。

a就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ。)に該当したため
(解雇事由又は退職事由と同一の事由として就業規則又は労使協定に定める「継続雇用しないことができる事由」に該当して離職した場合も含む。)

原則、継続して働くことを希望した人は定年後も雇用しなければなりませんが、就業規則などに解雇事由や退職事由を記載したうえでそれに該当する場合は解雇や退職になる場合があります。

就業規則の例としては下記の通り。

【就業規則の記載例】
(解雇)

第○条 従業員が次のいずれかに該当するときは、解雇することがある。

(1) 勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、従業員としての職責を果たし得ないとき。
(2) 精神又は身体の障害により業務に耐えられないとき。
(3) ・・・
  ・・・

(定年後の再雇用)

第△条 定年後も引き続き雇用されることを希望する従業員については、65歳まで継続雇用する。ただし、以下の事由に該当する者についてはこの限りではない。

(1) 勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、従業員としての職責を果たし得ないとき。
(2) 精神又は身体の障害により業務に耐えられないとき。
(3) ・・・
  ・・・

引用:厚生労働省

b平成25年3月31日以前に労使協定により定めた継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に該当しなかったため

現在の継続雇用制度では、希望すれば誰でも引き続き働くことができますが、平成25年3月31日以前は会社の基準をクリアした人だけが引き続き働くことができました。

例えば「定年前の評価がB以上の人だけ再雇用する」などです。

その基準を超えられず退職となる場合に該当する項目になります。

cその他(具体的理由:)

その他の理由として「賃金や職種など継続雇用の労働条件が折り合わなかった」などが該当します。

添付書類
  • 就業規則(定年の規定が記載されているページ)
  • 労働契約書
  • 労働協約

など(定年の根拠がわかれば大丈夫です)

なお、定年後に再雇用で有期契約となり、契約が満了した場合は次の「採用又は定年後の再雇用時等にあらかじめ定められた雇用期限到来による離職」になります。

採用又は定年後の再雇用時等にあらかじめ定められた雇用期限到来による離職

労働契約期間満了等によるもの

雇用契約は1年更新で、あらかじめ雇用期間の上限(3年間など)が定められており、上限に達したことにより離職した場合をいいます。

例えば定年退職後、1年更新で65歳まで再雇用されることがあらかじめ定められており、65歳に達したことで退職した場合などです。

設問に該当する回数とマルをつけていきます。

・1回の契約期間〇箇月、通算契約期間〇箇月、契約更新回数〇回

・当初の契約締結後に契約期間や更新回数の上限を短縮し、その上限到来による離職に該当(する・しない)

・当初の契約締結後に契約期間や更新回数の上限を設け、その上限到来による離職に該当(する・しない)

・定年後の再雇用時にあらかじめ定められた雇用期限到来による離職で(ある・ない)

4年6箇月以上5年以下の通算契約期間の上限が定められ、この上限到来による離職で(ある・ない)
→ある場合、同一事業所の有期雇用労働者に一様に4年6箇月以上5年以下の通算契約期間の上限が平成24年8月10日前から定められて(いた・いなかった)

添付書類
  • 就業規則(定年の規定が記載されているページ)
  • 労働契約書
  • 労働協約

など

労働契約期間満了等による離職

労働契約期間満了による離職

労働契約期間満了による離職は、契約期間が定められていて、かつ更新がされなかった場合に該当します。

直雇用か派遣契約で働いていたかで選択する箇所が異なるので注意しましょう。

契約の更新の条件については、細かく分かれていますが、大きく分けて下記3つの条件で判断することができます。

  1. 入社してから3年未満の離職か、3年以上の離職か
  2. 事前に契約更新しない通知があったか、なかったか
  3. 従業員から契約更新の希望があったか、なかったか

まとめると下記の通り。

スクロールできます
雇用期間契約更新本人の更新希望離職理由と失業保険受給資格
3年以上かつ1回以上更新更新しない通知あり希望した「契約期間満了により退職」
特定受給資格者(会社都合と同等)
3年以上かつ1回以上更新更新しない通知あり希望しなかった
申出がなかった
「契約期間満了により退職」給付制限なし
3年以上かつ1回以上更新更新しない通知なし希望した「会社都合による退職」特定受給資格者(会社都合と同等)
3年以上かつ1回以上更新更新しない通知なし希望しなかった
申出がなかった
①退職の申し入れをしている⇒「契約期間満了により退職」
②退職の申し入れをしていない⇒「自己都合退職」
①給付制限なし
②給付制限あり
3年未満更新しない通知あり希望した「契約期間満了により退職」給付制限なし
3年未満更新しない通知あり希望しなかった
申出がなかった
「契約期間満了により退職」給付制限なし
3年未満契約更新の確約あり希望した「契約期間満了により退職」特定受給資格者(会社都合と同等)
3年未満契約更新の確約あり希望しなかった
申出がなかった
「契約期間満了により退職」給付制限なし
3年未満契約更新の確約なし
(更新する場合があるという表記など)
希望した「契約期間満了により退職」特定受給資格者(会社都合と同等)
3年未満契約更新の確約なし
(更新する場合があるという表記など)
希望しなかった
申出がなかった
「契約期間満了により退職」給付制限なし

どれに該当するかは、人それぞれの状況によって変わってきます。

有期雇用者が契約更新をせずに退職する場合は、慎重に判断しましょう。

添付書類
  • 労働契約書
  • 雇い入れ通知書
  • 契約更新に係る通知書

など

早期退職優遇制度、選択定年制度等により離職

「早期退職優遇制度」は定年前の社員を対象に、退職金を優遇するなどして退職者を募集する制度です。

「選択定年制度」は会社の業績に関わらず、あらかじめ人事制度として設けられているもので「50歳以上」「55歳以上」など、一定年齢に達した社員が早期退職するかどうか自ら決めることのできる制度です。

これらの制度を利用して退職した場合に該当します。

添付書類
  • 就業規則
  • 労働協約等制度の内容がわかる書類

など

移籍出向

出向元の会社との雇用関係を終了し、退職金などが支払が行われた場合に該当します。

添付書類
  • 辞令等移籍出向の事実がわかる書類

など

解雇(重責解雇を除く)

事業主による解雇です。犯罪など犯した場合の解雇は、次の重責解雇になります。

この項目での解雇とは、会社の業績悪化による解雇や、就業規則の記載事項にあった行為を行ったためめに解雇に至った場合です。

添付書類
  • 就業規則
  • 解雇予告通知書
  • 退職証明書

など

労サポくん

懲戒解雇はこの項目に該当します。

重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)

重責解雇とは

・犯罪を犯した
・故意に設備や器具の破壊した
・事業所の機密を漏らした
・事業所の名で利益を得た、または得ようとした

など、労働者に大きな責任がある解雇のことを言います。

なお、「懲戒解雇」や「諭旨解雇」は重責解雇に該当しません。

懲戒解雇は「解雇」、諭旨解雇は「自己都合退職(場合によっては会社都合)」になります。

添付書類
  • 就業規則
  • 解雇予告通知書
  • 退職証明書
  • 解雇予告除外申請の写し

など

希望退職の募集又は退職勧奨

会社の業績悪化など人員整理が行われ、希望退職の募集や退職勧奨が実施された結果、退職する場合に該当します。

添付書類
  • 希望退職募集要項の写し
  • 離職者応募の事実がわかる書類

など

労働条件に係る重大な問題

賃金低下、賃金の支払い遅れ、賃金未払い、過度な時間外労働、採用条件との相違などがあったと労働者が判断し、退職した場合に該当します。

それぞれの具体的な目安は下記の通り。

労働条件問題の目安

賃金低下
⇒85%未満に低下

賃金の支払い遅れ
⇒賃金の3分の1を超える額が2ヶ月以上支払われない
 または離職の直前6 か月の間に3 月あった

過度な時間外労働
⇒離職の直前6 か月間のうちに3 月連続して45 時間、1 月で100 時間又は2~6 月平均で月80 時間を超
える時間外労働

採用条件との相違
⇒実際の労働条件と著しく相違したこと、または事業主が労働条件を変更したことにより採用条件と実際の労働条件が著しく異なることとなったこと

ただ、必ず上記の目安に達しなければならないというわけではありません。

最終的にはハローワークに問い合わせて、該当するかどうか判断してもらいましょう。

添付書類
  • 労働契約書
  • 就業規則
  • 賃金規定
  • 勤務表
  • 給与明細書
  • 口座振込日が分かる預金通帳

など

事業主または他の労働者から就業環境を著しく害されるような言動を受けた

パワハラ・セクハラになって退職する場合に該当します。

また、特定個人を対象とした配置転換や給与体系の変更が行われた場合も対象です。

添付書類
  • 特定個人を対象とする配置転換
  • 就業規則
  • 労働契約書
  • 事実がわかる記録・書類

など

妊娠・出産・育児休業・介護休業等に係る問題

育児休業・介護休業を申し出たが、拒否された場合。妊娠・出産を理由に休業を申出・取得したことで不利益な取り扱いを受けて退職する場合などに該当します。

添付書類
  • 証明できる書類

※必要な書類はハローワークにお問い合わせください。

事業所で大規模な人員整理があったことを考慮した離職

人員整理に伴い、
①労働者の3分の1を超える離職者が出ている
②1ヵ月で30人以上の離職者が出ている(出る予定)

①と②2つの条件が満たされるような大規模人員整理が行われた(行われる予定)で離職した場合に該当します。

添付書類
  • 大量離職届の写し

など

職種転換等に適応することが困難であったため

・長期で携わっていた仕事から、十分な教育訓練を行うことなく別な職種へ配置転換を行い、新たな職種に適応できない場合。

・労働契約で職種や勤務場所が特定されているにもかかわらず、他の職種への転換や遠隔地への転勤が命じられた場合。

などにより退職した場合に該当します。

添付書類
  • 採用時の労働契約書
  • 職種転換・配置転換などの辞令

など

事業所移転により通勤困難となった(なる)ため

事業所の移転により、通勤時間がおおむね往復4時間以上になるなどの理由で離職した場合に該当します。

ただし事業所移転直後、約3 か月以内に離職した人が対象です。

添付資料
  • 事業所移転の通知
  • 事業所の移転先が分かる資料
  • 離職者の通勤経路に係る時刻表

など

労働者の個人的な事情による離職

一般的には「自己都合退職」と言われています。

添付書類
  • 退職届の写し
  • 退職証明書の写し
  • 退職稟議の写し

など

以上が離職理由についてでした。

添付書類は、退職に至る状況や労働契約にもよりますので、最終的には管轄のハローワークにお問い合わせください。

離職区分

続いて離職区分の解説をします。

離職区分とは、離職票の一番右側に書いてある区分のことです。

それぞれ下記のような意味になっています。

スクロールできます
離職区分コード離職理由コードの意味
1A11解雇(1Bおよび5Eに該当するものを除く)
1B12天災等の理由により事業の継続が不可能となったことによる解雇
2A21特定雇止めによる離職(雇用期間3年以上雇止め通知あり)
2B22特定雇止めによる離職(雇用期間3年未満等更新明示あり)
2C23特定理由の契約期間満了による離職(雇用期間3年未満等更新明示な
し)
2D24契約期間満了による退職(2A、2B又は2Cに該当するものを除く。)
2E25定年、移籍出向
3A31事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
3B32事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職
3C33正当な理由のある自己都合退職(3A、3B又は3Dに該当するものを除
く)
3D34特定の正当な理由のある自己都合退職(平成29年3月31日までに離職
した被保険者期間6月以上12月未満に該当するものに限る。)
4D40正当な理由のない自己都合退職
4D45正当な理由のない自己都合退職(受給資格等決定前に被保険者期間が
2ヶ月以上)
5E50被保険者の責めに帰すべき重大な理由による解雇
5E50被保険者の責めに帰すべき重大な理由による解雇(受給資格等決定前
に被保険者期間が2ヶ月以上)
参考資料:厚生労働省雇用保険に関する業務取扱要領

従業員から問い合わせがあったときの参考にしていただければと思います。

離職票についての参考資料

最後に、離職票についての参考資料をご紹介します。

離職票-2の離職理由欄等の記載方法について
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断

また、下記の記事で「離職票の書き方」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

以上、参考になれば幸いです。

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管理人:キタ コウタロウ
社会保険労務士・WEBライター
給与計算や社会保険業務など労務の仕事を約10年、人事労務部門のマネージャーを約2年経験。現在は独立し、人事労務に特化したWEBライターとして活動しています。
WEBメディアの記事執筆、または記事監修は随時承っております。気軽にお問い合わせください。
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