2022年10月から育児休業の社会保険料免除ってどう変わったの?
具体的な手続きのやり方も知りたい。
そんな悩みにお答えします。
2022年10月から育児休業が大幅に改正され、社会保険料の免除要件が変更になりました。
それに伴って、書類の作成方法や提出するタイミングも少し変わってきます。
そこで今回は、2022年10年の改正による免除要件や書類の書き方などを詳しく解説します。
出生時育児休業・育児休業の社会保険料免除要件(2022年10月改正)
育児休業中の社会保険料の免除要件は、2022年10月以降、月額保険料と賞与保険料で要件が異なっています。
また、出生時育児休業(産後パパ育休)も通常の育児休業と同じく社会保険料免除の対象です。
まずは、それぞれの要件を整理しておきましょう。
月額保険料
月額保険料が免除される要件は以下2つのいずれかに該当するときです。
- 末日が育児休業等期間中である場合
- 同月中に14日以上、出生時育児休業または育児休業を取得した場合
従来は末日に育児休業をしてれば、その月分の社会保険料が免除になりました。
2022年10月からは、それに加えて月中で14日以上休業していた場合も社会保険料が免除になります。
たとえば、10月10日から10月23日まで出生時育児休業を取得した場合、14日間休業しているのでその月は免除の対象になるということです。
また、同月14日以上の「14日」には育児休業中の就業日は除かれます。
所定労働時間未満の就業日の計算方法は「書き方」の方で解説します
賞与保険料
賞与保険料は育児休業を1ヶ月超(暦日で計算)取得した場合のみ免除されます。
たとえば、6月10日~7月5日まで育児休業を取得した場合、休業が1ヶ月超に達していないため6月10日に支給された賞与は社会保険料が免除されません。
一方、6月10日~7月24日まで育児休業を取得した場合、休業が1ヶ月超に達しているため6月10日に支給された賞与は社会保険料が免除されます。
従来は末日を休業しているかどうかで判断されましたが、改正後は末日要件はなくなるということです。
給与計算をする際は、育休予定者の期間をチェックしてから社会保険料を控除するかしないかの判断をしましょう。
育児休業等取得者申出書を提出するタイミング(2022年10月改正)
育児休業等取得者申出書を提出するタイミングは、基本的に「育児休業が開始してから」です。
ただし、同月内に複数回に分けて育児休業を取得する場合は、その月に取得する最後の育児休業時にまとめて提出しても問題ありません。
例えば、10月1日〜10日と10月20日〜30日の2回に分けて育児休業を取得する場合は「10月20日〜」の育児休業の時に2回分まとめて提出しても良いということです。
なお、育児休業終了後1ヶ月以内に申出書を提出する場合には、遅延理由書の添付は不要です。
育児休業等取得者申出書の書き方(2022年10月改正)
ここからは、2022年10月で改正された育児休業等取得者申出書の書き方を解説します。
申出書は下記からダウンロードが可能です。
下記の記入例をもとに詳しく解説します。
① 届出の提出日
同月内に複数回に分けて育児休業を取得する場合は、その月に取得する最後の育児休業の期間に提出ができるため、2回目の時にまとめて提出ができます。
また、出生時育児休業は就業日の関係があるため、就業日を確認してから提出しましょう。
② 育児休業等取得日数
育児休業の開始年月日と終了年月日の翌日が同月内である場合は、育児休業等の日数を記入します。
※同月内に、複数回の育児休業を取得した場合は、同月内の日数の合計を記入
なお、土日など休日も含めて14日以上の日数です。
また、次で解説する「就労予定日数」は育児休業の日数に含みません。
③ 就業予定日数
同月内に育児休業を取得した場合、出生時育児休業(産後パパ育休)期間中に従業員との間で事前に調整して就業した日数を記入します。
※同月内に、複数回の育児休業を取得した場合は、同月内の日数の合計を記入
就業日数の計算方法は以下のとおりです。
・日単位の場合はその日数
・時間単位の場合は、その時間の合計を一日の所定労働時間 で割った日数(1日未満は切り捨て)
例↓
就業時間が合計20時間(1日の所定労働時間が8時間)であった場合、「20÷8=2.5」となり、就労予定日数は「2日」となります。
④ 育休等取得内訳
同月内に育児休業を「複数回取得」した場合、取得したそれぞれの育児休業期間を記入します。
なお、共通記載欄の⑩「育児休業等取得年月日」には、最初に取得した育児休業等の開始年月日、⑪「育児休業等終了(予定)年月日」には、同月内の最後に取得した育児休業等の終了年月日を記入します。
まとめ
2022年10月の法改正により、月額保険料の免除は末日が休業中の要件に加え、同月に14日以上休業していた場合も社会保険料が免除になります。
一方、賞与保険料の免除は、末日休業の要件がなくなり、1ヶ月超の休業(暦日で計算)を取得した場合のみ免除されます。
また法改正に伴い、申出書の書き方も変更されているので、従業員一人ひとりの育休状況を確認しながら作成をしましょう。
出生時育児休業給付金については、下記の記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
この記事が、担当者様のお役に立てると幸いです。
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