給与データを銀行に送信し終わったんですが、間違いに気づきました…。ど、どうすればいいんですか!?
そんな悩みにお答えします。
この記事を見ている方は、給与の振込手続きが完了したあとに間違いに気づいて「どうしよう…。」と焦っている状態だと思います。まずは落ち着きましょう。
給与は振込手続きから給料日までに「組み戻し」という手続きを行えば、給料日に正しい給与が支払われます。
この記事では、給与の組み戻しのやり方を実務担当者向けに解説します。参考になれば幸いです。
組戻しとは
給与の組戻しとは、振込手続き完了後に指定した従業員の口座から会社の口座に支払った給料を返金してもらう手続きのことです。
組戻しを行うことで、指定した口座からいったん給与分が返金され、再度振り込みなおすことで給与の修正ができるようになります。
たとえば、給与振込手続き完了後にAさんの給与が200,000円ではなく、300,000万円だったことに気づき、組戻しを行うとします。
そうした場合、下記のような手順になります。
- Aさんの口座と誤った金額を銀行に通知
- 200,000円が会社の口座に返金される
- Aさんの口座に300,000円の振込手続きを行う
このように、「この口座に振込んだお金を返金してください」という手続きが組戻しということです。
組戻しの手続き
組戻しの手続きの方法は、銀行によって異なりますので、まずは給与振込を行う際に使っている銀行に問い合わせてください。時間との勝負になりますので、電話で問い合わせるのが良いでしょう。
「組戻しをしたい」と連絡を入れたら、銀行から組戻しの手続きに必要な書類がメールもしくはFAXで送られてきます。(ネット対応できる場合もあります)
書類を受け取ったら、必要事項と間違った金額、口座番号を書き、会社印を押したものを銀行に提出します。(FAXでも可能な場合あり)
書類の提出後、当日か翌日には返金されるという流れです。
組戻し後の振込
組戻し完了後は正しい金額を振り込みましょう。
手続きは以下の手順で行います。
- 給与システムの修正を行う
- 汎用振込データを作成し、修正した人だけの振込データを作成
- 総合振込で給与データを送信
まず、給与システムで振込データを作るために間違った人(修正対象者)の給与を正しい金額に修正をします。
そのうえで、修正対象者だけの給与振込データを作成します。
給与システムによっては、1人だけの振込データを作成できない場合があるので、その場合はFBデータ送信用のソフトで直接口座と金額を登録して送信することも可能です。
なお、直接銀行に現金を持ち込んで、振込用紙を書いたうえで振込しても問題ありません。
ただし、振込む場合は「総合振込」になります。なぜなら、給与振込ができるのは3営業日前という銀行が多いからです。
「総合振込」と「給与振込」の違いとは
「総合振込」と「給与振込」の違いは以下の2点です。
- 総合振込の方が手数料が高い
- 通帳の表示名が違う
1点目が手数料が違うという点です。給与振込より総合振込の方が手数料が高くなります。
2点目が通帳の記載内容が変わることです。給与振込の場合は「給与」や「賞与」と記載されるのに対し、総合振込の場合は「会社名」が記載されます。
この2点の違いがありますので、あらかじめ上司や修正を行った従業員に説明した方がよいでしょう。
組み戻し後の伝票処理
細かい話ですが、給与の伝票にも影響があります。
組戻しを行った場合は、出金⇒入金⇒出金という流れになるので、伝票もこの流れに合わせて作成しなければなりません。
さらに、誤った伝票をすでに計上していた場合は、所得税や雇用保険料も影響するので、逆仕分けで取消す、もしくは追加で計上するという処理を行う必要があります。
もし人事部が給与、経理部が伝票を作成している場合は、経理に経緯を説明して伝票の起票をお願いしましょう。
まとめ
給与送信後に間違いに気づいた時は冷静ではいられません。時間がない中、関係部署に説明、修正、手続きと様々なことを行います。
慌てて、また間違ったらもともこもありませんので、まず冷静になって手続きを進めましょう。
以上、担当者の皆様にお役に立てれば幸いです。
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