【給与で非課税になる項目】給与の課税項目と非課税項目の違いを解説

 

給与項目によって課税になる項目と非課税の項目があるのはなぜですか?

労サポくん

そんな疑問にお答えします。

この記事でわかること
  • なぜ給与項目に課税・非課税があるのか
  • 給与項目が非課税になる条件
  • 非課税項目の具体例
毎月のお給料がすべて課税になるわけではないよ

こんにちは、社労士のキタです。

給与計算をやっていると、課税対象になる項目と非課税対象になる項目がありますよね。

でも、なぜ非課税になるかご存知ですか?

今回は、非課税になる給与項目の条件と具体例を解説します。

目次

なぜ給与に課税項目と非課税項目があるのか

なぜ給与の項目に課税と非課税があるのかというと「税法上非課税と決まっているか、福利厚生として支給している」からです。

税法上非課税として決まっている場合はわかると思います。しかし「福利厚生」として支給する場合も「非課税」となるんです。

例えば、基本給は「給与」に該当するので所得税の課税対象です。でも「結婚祝い金」は福利厚生費として認められているので非課税になります。

「福利厚生」とは、ある一定条件をクリアし、かつ従業員向けに会社独自で用意しているサービスのようなものです。では、次に福利厚生になる条件を解説します。

給与が福利厚生(非課税)になる条件

給与が福利厚生になるためには次の条件をすべて満たさなければなりません。

  1. 賃金以外であること
  2. 従業員全員を対象としていること
  3. 妥当な範囲の金額であること

それぞれ詳しく解説します。

賃金以外であること

賃金とは基本給や役付手当、賞与などのことをいいます。
福利厚生費は、基本的に「労働の対価以外で支給されるもの」となるため、賃金以外であることが条件です。

従業員全員を対象としていること

従業員全員を対象としていなければ福利厚生費となりません。
例えば「女性だけ対象」「管理職だけ対象」など、限定した人だけが受けられるものは福利厚生費に該当しないということです。

妥当な範囲の金額であること

妥当な範囲とは「常識的に考えて妥当な金額」ということです。

例えば、社員旅行の費用に1人100万円補助するのは常識的に考えて妥当ではないですよね。

金額の範囲は法律では決められていないため、企業に任せられています。
ただ、中には法律や規定で基準が決められているものもあるので、福利厚生を新設する際は国税庁のホームページなどで確認してから新設するようにしましょう。

給与で非課税になる項目紹介

ここからは、給与で非課税になる項目を紹介していきます。

ご紹介する項目は次の項目です。

  1. 通勤交通費
  2. 資格取得費用
  3. 食事補助
  4. 健保給付金
  5. 予防接種補助
  6. 旅費・出張費
  7. 宿直手当

それぞれ詳しく解説します。

①通勤交通費

通勤交通費は自宅から職場までの通勤にかかる費用を支給する手当です。一定額までは非課税となり福利厚生費として計上が認められています。

通勤交通費は役員・社員・パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず支給することが可能です。また、自動車の通勤に対しても距離に相当した分を支給することができます。

非課税の限度額は国税庁が定めており、電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合は、1ヵ月15万円が非課税の限度額です。

また、自動車で通勤する場合は、距離に応じて非課税限度額が異なっています。詳細は下記の通り。

片道の通勤距離1ヵ月あたりの非課税限度額
2km未満全額課税
2km以上10km未満4,200円
10km以上15km未満7,100円
15km以上25km未満12,900円
25km以上35km未満18,700円
35km以上45km未満24,400円
45km以上55km未満28,000円
55km以上31,600円

この非課税限度額を超えた場合は、給与として課税対象になるので、毎月給与計算を行うときは注意しましょう。

②資格取得費用

資格を取得するためにかかった費用を会社が支給する場合は、非課税となります。

ただし「業務に直接必要な資格」のみです。不動産業であれば「宅地建物取引士」、建築業であれば「一級建築士」などですね。

ただ、経理担当が「税理士」の資格を取得するために使った費用は「課税」になります。理由は、税理士がなくても経理業務ができるからです。

労サポくん

宅地建物取引士や一級建築士は、資格をもっていければできない業務があるので、福利厚生費として非課税扱いにできます。

③食事補助

食事補助は、従業員の食事代の一部を会社が補助してくれる場合の項目です。

ただ、条件としては「従業員が食事代の半分以上を負担」し、「会社が負担する額が月額3,500円以下」である場合に限ります。会社が負担する金額が3,500円を超えた場合は、超えた分が「課税」対象となります。

④健保給付金

会社が加入している健康保険からの給付金を会社で払っている場合は「非課税」となります。

医療関係の給付は、すべて非課税です。

⑤予防接種補助

インフルエンザやその他ウイルスの予防接種にかかる費用は、下記の条件を満たせば非課税になります。

  1. 業務上必要である
  2. 全従業員を対象とし希望者全員の費用を負担する
  3. 不相当に高額でないこと

(所得税基本通達36-29)

インフルエンザにかかってしまっては会社の業務が滞ってしまいますよね。予防接種は業務上必要であり、費用も5,000円程度で高額ではありません。

希望者全員の費用負担をするのであれば福利厚生費として非課税対象となります。

⑥旅費・出張費

出張に行くと、新幹線代や飛行機代、ホテル代といった費用がかかります。これらの費用を給与で支給している場合は「非課税」になります。

移動や宿泊の費用は、仕事のために必要な経費としてみなされるため、基本的には所得税の課税対象ではありません。

ただし、必要以上に高額になった場合は、課税対象になる場合があります。
例えば、飛行機でファーストクラス分の旅費を支給するなどです。

⑦宿直手当

宿直手当とは、夜間の警備対応や、緊急時に備えて夜間対応した場合に支給する手当です。
勤務1回につき、4,000円まで非課税になります。

まとめ

給与計算で所得税が非課税になるものは、福利厚生費として一定の条件が満たされたものや、税法上非課税と認められているものです。

それ以外のものは、給与として課税対象となります。新しく給与項目を増やす場合は、課税になるのか非課税になるのかを慎重に判断して設定するようにしましょう。

もし、誤って課税対象のものを非課税のまま給与を支給していると、税務調査で指摘されます。改めて確認してみてください。

以上、お役に立てると幸いです。

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管理人:キタ コウタロウ
社会保険労務士・WEBライター
給与計算や社会保険業務など労務の仕事を約10年、人事労務部門のマネージャーを約2年経験。現在は独立し、人事労務に特化したWEBライターとして活動しています。
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