【標準報酬月額とは?】社会保険の専門家がわかりやすく解説

 

標準報酬月額って何ですか?
わかりやすく教えてください。

そんな悩みにお答えします。

労サポくん

この記事を書くのは社会保険の専門家である社会保険労務士です。

この記事で分かること

・標準報酬月額とは何か

・標準報酬月額の計算方法

わかりやすく説明しますよー

「標準報酬月額・・・は?」

この記事をご覧のあなたの心の中はそう言っていませんか?

大丈夫です。普通です。
標準報酬月額は人事労務に関わっている人でなければ一生触れない単語なんですから。

でも、あなたは標準報酬月額を知らないといけない状況になっている。そうではないですか?

この記事ではそんなあなたに「標準報酬月額」をわかりやすく解説します。
ぜひご覧ください。

目次

標準報酬月額とは

標準報酬月額とは『社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険)の金額を決める基準額』です。

と言われてもまだわからないですよね。
詳しく説明します。

標準報酬月額を知るためには、まず社会保険料がどのように決まっているかを知らなければなりません。

社会保険料とは、「健康保険料・介護保険料含む・厚生年金保険料」の事を言います。
※介護保険料は40歳を過ぎてから徴収

ではその社会保険料はどのように決まっているかというと、給与の月額によってランク付けされて決定されます。

下記の表をご覧ください。

一番左側に1~50の数字が書いてありますよね。
このランクを「等級」と呼んでいます。

等級は給与の月額で決定される仕組みになっており、給与の月額を「標準月額」の金額に当てはめて等級を決定するんです。

例えば、月給が255,000円だとしたら250,000円~270,000円の範囲に収まっているので20等級(厚年は17等級)になります。

そして「20(17)」と書かれた右側に「260,000」と書かれていますよね。
この260,000円が標準報酬月額です。

つまり月給255,000円の人は標準報酬月額が260,000円になります。

なんとなくお分かりいただけでしょうか。

では、標準報酬月額260,000円の人の社会保険料(個人負担)はいくらかわかりますか?

正解は、健康保険が12,831円、厚生年金保険料が23,790円です。

青枠で囲ったところが個人負担額です。青枠の左が健康保険、右が厚生年金になります。

なぜ折半額になるのかというと、社会保険料は半額を会社が負担しているからです。

ちなみに40歳以上の人は介護保険料も徴収されるので、40歳以上の人はまん中の15,158円になります。

なお、例では「全国健康保険協会」の表をもとに紹介しましたが、会社が加入している健康保険によって保険料がことなるので、必ずしも保険料が20等級の保険料が健康保険が12,831円、厚生年金保険料が23,790円になるわけではありません。

保険料を知りたい場合は会社が加入している健康保険のホームページで月額表をご確認ください。

労サポくん

標準報酬月額は、傷病手当金や出産手当金などの給付金の計算の元として使われたりするんですよ。

標準報酬月額の計算方法

標準報酬月額についてなんとなく分かっていただけたでしょうか。
次は標準報酬月額の計算方法についても簡単ですがご説明します。

標準報酬月額の計算方法は細かく説明すると複雑なので、今回は基礎的なものを2つご紹介します。

  1. 入社した時の標準報酬月額の計算
  2. 算定(定時決定)

入社した時の標準報酬月額の計算

従業員が入社すると標準報酬月額を決定しなければいけません。

計算方法は日給、月給、請負など雇用形態によって様々ですが、今回は時給と月給について解説します。

時給の場合

式:『(時給×1日の平均所定労働時間)+ 1ヵ月の通勤交通費』

時給(フルタイム):1,000円
1ヵ月の平均所定労働時間:160時間
1ヵ月の通勤交通費:5,000円
=165,000円
標準報酬月額:170,000円

時給の場合は、時給に平均所定労働時間をかけ、通勤交通費をプラスします。
また、社内で時給でも残業する習慣がある場合は、平均残業時間分をプラスして計算しましょう。

月給の場合

式:『月給 + 1ヵ月の通勤交通費 +平均残業時間分の残業代』

資格給:130,000円
業績給:120,000円
通勤交通費:5,000円
残業代:20,000円
=275,000円
標準報酬月額:280,000円

月給の場合は、月給(資格給+業績給)に通勤交通費と残業代をプラスします。

残業代は、例えば会社平均の残業時間が10時間だとすると10時間分で計算します。

計算方法は就業規則に沿って計算するのですが、例えば「250,000円÷160時間×1.25×10時間」などのように計算し、計算結果を標準報酬月額の計算にプラスするということです。

労サポくん

標準報酬の賃金に含むものと含まないものは決まっています。
こちらを参考に計算をしましょう。

算定(定時決定)

算定(定時決定)は年に1回標準報酬月額を見直す制度です。

社会保険料は原則、算定で決まった金額を1年間払い続けます。
なので金額は原則1年間変わらないんです。

算定は毎年4月~6月に支払われた給与の平均を元に標準報酬月額を決定し、9月分の保険料から改定します。

出典:東京税理士会計士事務所

よく4月~6月の残業代が多いと社会保険料が高くなると言われるのは算定がそう決まっているからなんですね。

算定は毎年7月10日までに全従業員分の届出を行うことになっており、社会保険担当者の一大イベントでもあります。
給与計算ソフトを入れていればそんなに手間ではありませんが、ソフトがないとけっこう大変です。

とりあえず、毎年4月~6月の平均給与をもとに改定が行われると覚えておきましょう。

労サポくん

残業代は3月~5月分の残業時間で払われることが多いので、実際は3月~5月に残業が多い人は社会保険料が高くなります。
また、算定は9月分から改定しますが、実務上は1ヵ月遅れで社会保険料が徴収される会社が多いので、10月給与から新しい保険料で徴収される会社が大半です。

まとめ

標準報酬月額とは『社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険)の金額を決める基準額』です。

聞きなれない言葉だと思いますが、社会保険を担当する方は必ず覚えておきましょう。

そして、社会保険料は等級で管理されており、原則1年に1回見直されると覚えていただければ、あなたは社会保険担当者として一歩前進できます。

この記事がご担当者様のお役に立てると幸いです。

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管理人:キタ コウタロウ
社会保険労務士・Webライター
きた社労士事務所代表
給与計算や社会保険業務など労務業務を約10年、人事労務部門のマネージャーを約2年経験。現在は社労士・Webライターとして独立。
人事系メディアを中心に執筆・監修を行っています。
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