こんにちは、社労士のキタです。
給与計算歴10年で人事労務部門のマネージャー経験もある社会保険労務士です。
賞与の計算をしていると、社会保険料の金額がいくらになるか気になりますよね。
でも難しいことはありません。
賞与の社会保険料は、単純に料率をかけるだけで算出できます。
計算結果を早く知りたい方は、下記のサイトで賞与の社会保険料が自動計算ができるのでご利用ください。
賞与の健康保険料・自動計算(従業員分のみ)
賞与の厚生年金保険料・自動計算
とはいえ「実際どうやって計算しているか知りたい」「賞与の社会保険料がかからない場合を知りたい」という方は引き続きこの記事をご覧いただければと思います。
賞与の社会保険の計算方法
結論から言うと、賞与の社会保険料は1,000円未満を切り捨てた支給額に保険料率をかけて算出します。
標準報酬月額は関係ありません。
例えば、賞与が500,200円だった場合の社会保険料の内訳は下記のようになります。
賞与:500,200円
健康保険料率:9.84%
介護保険料率:1.80%
厚生年金保険料率:9.15%
子ども・子育て拠出金率:0.36%
従業員の負担額
健康保険料:49,200円(500,000円×9.84%)
介護保険料:9,000円(500,000円×1.80%)
厚生年金保険料:45,750円(500,000円×9.15%)
会社負担額
健康保険料:49,200円(500,000円×9.84%)
介護保険料:9,000円(500,000円×1.80%)
厚生年金保険料:45,750円(500,000円×9.15%)
子ども・子育て拠出金:1,800円(500,000円×0.36%)
このように、1,000円未満を切り捨てた支給額に料率をかけると賞与の社会保険料が算出できます。

健康保険料率は、地域や会社が加入している健保組合によって違います。例では東京都の協会けんぽの料率で計算しました。
賞与の社会保険料がかからない場合
賞与の社会保険料は「当月分」の社会保険料を徴収しています。
例えば、6月10日が賞与支給日だとしたら、賞与から引かれている社会保険料は「6月分」になります。
そこで注意していただきたいのが、賞与で社会保険料がかからない場合があるということです。
それは、賞与月の途中で退職するか、賞与月に産休・育休を開始した場合に発生します。
賞与月の途中で退職した場合
従業員が退職した場合、社会保険料は「退職日の翌日の属する月分から」保険料が発生しません。
例えば、3月31日に退職した人は、退職日の翌日は4月1日ですよね。この場合、4月分の社会保険料から徴収しないとこになります。
もう一つ例をあげると、6月15日に退職した人は、退職日の翌日が6月16日になりますよね。ということは、6月分の社会保険料から徴収しないことになります。
冒頭申し上げた通り、賞与の社会保険料は「当月分」です。
つまり、6月15日に退職する人に支給する賞与は、たとえ賞与支給日が6月10日だったとしても社会保険料は徴収しません。(月途中で退職しても賞与が支給される会社に限ります)
極端な話、賞与支給日が6月5日で、退職日が6月29日の人に支給する賞与は社会保険料がかからないことになります。
賞与月に産休・育休を開始した場合
産休・育休は「休業を開始した月から」社会保険料が免除されます。
例えば、6月15日から産休を開始する場合は、6月分の社会保険料がかからなくなります。
もう一つ例をあげると、12月31日から産休を開始する場合は、12月分から社会保険料がかからなくなるということです。
つまり、月途中で退職する人と同じように、6月10日に賞与を支給する人が、6月15日から産休を開始する場合は、たとえ賞与支給日が産休前の6月10日だったとしても社会保険料は徴収しません。
これは男性が育休を開始する時も同じです。
ですので、賞与計算するときは賞与月に産休・育休を開始する人がいないか確認しておく必要があります。
まとめ
賞与の社会保険料は、1,000円未満を切り捨てた支給額に保険料率をかけて計算します。標準報酬月額は関係ありません。
また、賞与月の途中で退職する人や、産休・育休を開始する人は賞与が支給されても社会保険料がかかりません。
賞与の社会保険料は給与の処理とは異なりますので注意しましょう。
以上、賞与の社会保険料についてでした。参考になれば幸いです。